バブル崩壊すると、どうなるの?日本の経験から学ぶ「知っておくべきこと」
バブル崩壊は怖いこと?過去から学んで賢く備えましょう
「バブル」という言葉をニュースなどで耳にしたことがあるかもしれません。特に日本のバブル経済は、多くの人が経験した大きな出来事でした。
投資をこれから始めてみたいと考えている方にとって、「バブルが崩壊するとどうなるのだろう」「自分のお金は大丈夫だろうか」という不安があるのは自然なことです。
でも、バブル崩壊の仕組みや、過去に日本で何が起きたのかを知っておけば、将来のリスクを見抜いたり、大切なお金を守ったりするためのヒントが得られます。専門的な話は一切なしで、分かりやすく解説します。
バブル崩壊って、そもそもどういうこと?
バブル経済とは、土地や株などのものの値段が、本来の価値よりもずっと高い値段で取引される状態が続くことを言います。例えるなら、人気が出すぎて値段がどんどん上がっていくようなものです。
この異常な状態がいつまでも続くわけではありません。どこかで「この値段は高すぎる」と思う人が増えたり、お金を借りるのが難しくなったりすると、急に物の値段が下がり始めます。これが「バブルが弾ける」、つまり「バブル崩壊」です。
まるで、大きく膨らんだ風船がパーンと割れて、しぼんでしまうようなイメージです。
日本のバブル崩壊で実際に何が起きたのか
日本は1980年代の終わりから1990年代の初めにかけて、大きなバブル経済を経験しました。そして1990年代に入ると、そのバブルは崩壊しました。
では、この時、私たちの生活やお金にどんな影響があったのでしょうか。
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土地や株の値段が急に下がりました: 東京の真ん中の土地が、アメリカ全土の土地の値段と同じくらいになった、と言われるほど土地の値段は高騰していましたが、バブル崩壊後は急激に値下がりしました。株の値段も大きく下がりました。高値で買った人は、大きな損をしてしまいました。
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会社や銀行が大変なことになりました: 土地や株にたくさん投資していた会社や、そうした会社にお金を貸していた銀行は、値段が下がったことで大きな損失を抱えました。中には、経営が悪化して倒産してしまう会社や銀行もありました。
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私たちの生活にも影響が出ました: 会社が経営難になると、社員のリストラ(人員削減)が行われたり、給料が上がりにくくなったりしました。土地やマンションを高いローンを組んで買った人は、物の値段が下がってもローンの金額は変わらないため、返済が大変になりました。景気が悪くなったことで、全体的にお金を使う人が減り、物が売れにくくなる、という悪い流れが続きました。
このように、バブル崩壊は遠い世界の話ではなく、多くの人のお金や仕事、生活に直接的な影響を与えたのです。
バブル崩壊から学ぶべき大切な教訓
過去のバブル崩壊の経験から、私たちが将来のリスクに備えるために学べることはたくさんあります。
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「絶対大丈夫」はないと知る: どんなに「これは間違いない」「今後も上がり続ける」と言われていても、物の値段が下がる可能性は常にあります。「みんなが買っているから安心」という考えは危険です。
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借金に頼りすぎた投資はリスクが高い: 「借金してでも投資すれば、すぐに儲かって返せる」という考えは、バブル崩壊のような事態が起きると、取り返しのつかないことになりかねません。余裕のある範囲で投資することが大切です。
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仕組みが分からないものには手を出さない: なぜ物の値段が上がっているのか、自分が何に投資しようとしているのか、その仕組みがよく分からないまま、周りの話に乗って始めるのはとても危険です。
将来の「危ない兆候」を見抜くヒント
では、もし将来、またバブルのような状況が起こりそうになったら、どのように気づけば良いのでしょうか。
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「異常な値上がり」に注目する: 特定のものの値段が、短い期間にものすごく値上がりしている時は注意が必要です。例えば、普通の家なのに、隣の家よりも倍以上の値段で取引されている、といった明らかな違和感がある場合です。
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周りの人が「簡単に儲かる」と騒ぎ始めたら警戒: 普段は投資に興味がないような人までが「あの株(または不動産など)を買えば、誰でも簡単に儲かるらしい」といった話を真剣にし始めたら、それは過熱しているサインかもしれません。
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「元本保証」「絶対に損しない」といった甘い言葉に注意: 投資には、基本的に元本保証はありません。絶対に損しないという話は、詐欺の可能性が高い、非常に危険な兆候です。
安全な資産形成のための考え方
バブル崩壊のようなリスクがあることを知ると、投資が怖くなってしまうかもしれません。しかし、適切に備えて行動すれば、必要以上に恐れることはありません。
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「分散投資」を心がける: 卵を一つのカゴに盛ると、落とした時に全部割れてしまいます。でも、複数のカゴに分けておけば、一つを落としても他の卵は無事です。投資も同じで、一つのものに集中せず、様々なものに分けて投資することでリスクを減らすことができます。
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長期的な視点を持つ: 短い期間で大きな利益を得ようとすると、どうしてもリスクの高い取引に手を出してしまいがちです。しかし、長い時間をかけてコツコツと積み立てていくことで、一時的な値動きに一喜一憂せず、リスクを抑えながら資産を増やすことを目指せます。
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無理のない範囲で始める: 生活に必要なお金や、いざという時のための貯金には手をつけず、当分使う予定のないお金で始めることが大切です。
まとめ
日本のバブル崩壊は、経済や私たちの生活に大きな影響を与えた歴史的な出来事でした。過去の経験から、「値段が異常に上がる」「周りが熱狂する」「借金に頼る」といった状況には注意が必要であること、そして「絶対はない」という心構えを持つことの重要性を学ぶことができます。
バブル崩壊のリスクを知ることは、投資をしないという選択をするためではなく、むしろ将来の予測が難しい状況でも、冷静に判断し、自分自身や家族の大切な資産を安全に守り、育てるための知恵となります。
焦らず、少しずつ、ご自身のペースで学びながら、賢く資産形成を進めていきましょう。